『ヴェニスの商人』/"Merchant of Venice"

ん。これはいい。アルパチーノ最高です。

先に申して起きますが、これからご覧になる方は読まないほうが良いと思います。

まずこの映画の予告編をインターネットでたまたま観、音楽が素敵でした。16Cの自由共和国として名高いヴェネチアを舞台とした西と東がごちゃ混ぜのこの時代らしく、少年の美しいソプラノ(西)とおそらくリュートの音色(中東?)。暗い映像にぴったりな感じです。

誰とも、主人公がとれない、つまり皆主人公な感じなのだが、アルパチーノ演じるシャイロックがあえて言うならば中心だろうか。もともとシェークスピアは喜劇として書いた作品で、主人公はユダヤ人のシャイロックではなく、キリスト教徒のアントーニオが主人公らしい。んー喜劇には思えなかったぞ。

シャイロックの悲しみと怒り、更に若者のラブストーリーが絡んでくる。
最後の裁判のシーン以降はシェークスピアらしいトリッキーでユーモラスなな運びではあるが、私はそれよりも差別される辛さのほうが印象的である。

シャイロックの娘がかけおち、さらに財産が盗まれる。このときのシャイロックの悲しみ。
ユダヤ人はどの時代も迫害されてきた。
「いったいキリスト教徒と何が違うというのだ。耳がないか?手がないのか?目が見えないのか?内臓がないのか?キリスト教徒とちがう冬の寒さでキリスト教徒と違う夏の暑さだというのか?いったい何が違うというんだ!jewというだけでなぜこんな仕打ちを受けなければならないのだ!」
「やはりユダヤはのろわれた民族だとわかったよ」

このセリフにはほんとグッときた。道を歩けばつばを吐きかけられ、外出は赤い帽子をかぶらなくてはいけない。
裁判では命こそ助けられたが財産の半分は駆け落ちした娘へ、さらにキリスト教への改宗を強制される。このときの声なき声で悶絶するシャイロック。
自分のいままで信じてきた神をいきなり変えろといわれても無理な話である。しかも宿敵キリスト教。だったら死んだほうがましなのではないか?ともおもうが、金にすがるユダヤ人を描いたかのように
「財産を全て没収されたら大黒柱を抜き取られたも同じです。生活がなりたたなくなってしまう。」
そういって改宗の条件までものんで生き続けるのだ。

キリスト教的卑しき職業・金貸し。それはキリスト教の教義に反するものだからという理由だけで迫害されていたわけではあるまい。実際的な富(金)を独占している現実。それにたいするねたみがあったのだろう。反ユダヤ主義が少々におう作品だ。

舞台となったヴェネチアでは実際のところ嫌われる演目の一つらしい。そりゃそうだ。人種差別主義と思われておかしくない話だ。
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by indigoarie22 | 2005-11-09 00:06 | 映画
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